ドナウ商事のホームページには、「産業機械」のカテゴリーに掲載している押出機と、「リサイクル機器」のカテゴリーに掲載している再生ペレット押出機があります。
どちらも「押出機」という名前が付いているため、
「何が違うのだろう?」
「プラスチックを押し出す機械なら同じでは?」
「自社の場合はどちらを見ればよいのか?」
と迷われる方もいらっしゃるかもしれません。
基本的な押出原理には共通する部分がありますが、設備を選ぶときに重要なのは、「何を入れるのか」「何を作りたいのか」「どの程度の量を処理するのか」です。
今回は、当社サイトで2つのカテゴリーに分けて掲載している押出機について、それぞれどのような用途を想定しているのか、設備選びの入口となる考え方をご紹介します。
※この記事では、当社サイトの「産業機械 > 押出機」に掲載している小型押出機を、わかりやすく「産業用押出機」と表現しています。

同じ「押出機」なのに、なぜカテゴリーが分かれている?
押出機は、プラスチックなどの材料をスクリューで搬送しながら加熱・溶融し、連続的に押し出す設備です。
ただし、押出機を使う目的は一つではありません。
たとえば、
「 新しい樹脂材料の配合を試したい場合 」と、「 工場から出る廃プラスチックを再生ペレットにしたい場合 」
では、同じ押出機を使用する工程でも、投入する材料の状態や必要な処理量、前後に必要となる設備が異なります。
当社サイトでは、こうした用途の違いから、
- 研究開発・試作・小ロット用途などで検討する押出機
- プラスチックリサイクル・再生ペレット製造で検討する押出機
を分けてご紹介しています。
「産業用か、リサイクル用か」という機械名称だけで判断するというより、設備を使用する目的の違いから入口を分けていると考えていただくとわかりやすいでしょう。
産業機械の押出機は「材料開発・試作・成形」から考える
当社の「産業機械 > 押出機」では、小型単軸押出機と小型二軸押混練出機を取り扱っています。
こうした小型押出機は、たとえば次のような場面で検討されます。
- 新しいプラスチック材料を開発したい
- 樹脂と添加剤などを混練したい
- 少量の材料で押出条件を試したい
- 研究開発や試作を行いたい
- 少量のペレットを製造したい
- 押出後にシートやフィルムなどへ成形したい
特に研究開発では、最初から大型の生産設備を動かすのではなく、小型押出機で温度や配合などの条件を確認したいケースがあります。
また、押出機の後段にペレタイザー、シート成形、キャストフィルム、ブロー成形、パイプ成形などの設備を組み合わせることで、目的に応じた試験・成形ラインを検討することもできます。
つまり、こちらの押出機は、
「材料をどう加工するか」
「どのような配合・条件で成形するか」
という視点から選ぶケースが中心です。
再生ペレット押出機は「廃材をどう再び原料にするか」から考える
一方、「リサイクル機器 > 再生ペレット押出機」では、廃プラスチックや工程端材などを再利用可能な原料へ戻すことを目的とした押出機を取り扱っています。
対象となる材料
- PE・PPなどのフィルム
- 包装材や袋
- 硬質プラスチック
- 成形端材
- 破砕後のフレーク
- 回収したプラスチック材料
などがあります。
ここで重要になるのが、押出機へ入ってくる材料の状態です。
一般的なペレット状の原料だけでなく、軽くてかさばるフィルムや、不定形の破砕材、フレークなどを処理することがあります。
そのため再生ペレット押出機では、単に樹脂を溶かして押し出すだけではなく、
「材料をどう安定して供給するか」
「どのように再生ペレットまでつなげるか」
まで含めて設備を考える必要があります。
当社では、フィルムリサイクル押出機、硬質リサイクル押出機、破砕機一体型押出機、タンデム式押出機、二軸押出機など、処理物や目的に応じた設備を取り扱っています。
産業用押出機と再生ペレット押出機の違いを整理
2つの押出機を選ぶ際には、機械の構造だけを見るよりも、まず用途を整理するとわかりやすくなります。
| 確認項目 | 産業機械の押出機 | 再生ペレット押出機 |
| 主な目的 | 研究開発・試作・混練・成形など | 廃プラスチックの再資源化 |
| 原料の例 | 樹脂ペレット・添加剤・各種材料など | フィルム・破砕材・フレーク・端材など |
| 選定の起点 | どのような材料・成形条件を試すか | どのような廃材を再生するか |
| 処理量 | 小ロット・研究開発用途など | 生産ラインとしての処理量を重視 |
| 前後設備 | ペレタイザー・シート・フィルム成形など | 破砕・洗浄・乾燥・ろ過・ペレット化など |
| 重視する点 | 混練、試験条件、少量対応、成形方法など | 原料供給、処理能力、再生品質、連続運転など |
ここで注意したいのは、「産業用押出機ではペレットを作らない」「再生ペレット押出機だけがペレットを作る」という意味ではないことです。
産業機械側の小型押出機でも、後段にペレタイザーを接続してペレットを作ることができます。
違いを見るポイントは、「ペレットを作るかどうか」ではなく、何を原料として、何を目的に押出工程を行うのか です。
迷ったときは「何を入れるか」と「何を作るか」で考える
設備名称だけでは判断しにくい場合は、まず次の2つを整理してみてください。
1.押出機へ何を入れるのか
たとえば、樹脂ペレットや添加剤を使い、配合や押出条件を試したい のであれば、研究開発・試作向けの小型押出機が候補になります。
一方、フィルム、硬質プラスチック、破砕材などを再利用したい のであれば、再生ペレット押出機を中心に検討することになります。
2.押し出した後に何を作りたいのか
押出後の目的も重要です。
- 配合を確認したい
- 試験用ペレットを作りたい
- シートやフィルムへ成形したい
- 廃材を再生ペレットへ戻したい
- 再生材に添加剤などを混練したい
など、最終目的によって必要となる押出機や後段設備が変わります。
設備選定では、押出機単体の仕様を見る前に「入口となる原料」と「出口となる製品」を決めることが大切です。
目的別に見る押出機の選び方
具体的な例で考えると、違いがさらにわかりやすくなります。
新しい樹脂配合を少量で試したい
研究開発や材料開発で、樹脂と添加剤などを混ぜて試験したい場合は、小型二軸押出機などが選択肢になります。
二軸押出機は、材料を混ぜ合わせる「混練」を重視する用途で検討される設備です。
樹脂を少量押し出し、シートなどへ成形したい
試験・研究用途で比較的シンプルな押出を行い、後段でシートやフィルムなどへ成形したい場合は、小型単軸押出機などが候補になります。
フィルム廃材を再生ペレットにしたい
PE・PPフィルムなどは、軽く、かさばりやすいことが特徴です。
この場合はフィルムを押出機へ安定して供給する方法まで含めて検討する必要があり、フィルムリサイクル押出機などが選択肢になります。
硬質プラスチックの破砕材を再生したい
硬質プラスチックや成形端材などを破砕し、フレーク状にした材料を再ペレット化する場合は、硬質リサイクル押出機などを検討します。
再生材をさらに混練・コンパウンドしたい
リサイクル材に添加剤などを混ぜたり、混練性能を重視したりする場合には、二軸押出機やタンデム方式を含めて検討するケースがあります。
このように、「押出機」という名称から探すよりも、処理したい材料と目的から候補を絞り込む方が、必要な設備へたどり着きやすくなります。
「単軸押出機」と「二軸押出機」は別の分類軸
ここは押出機を選ぶ際に混同しやすいポイントです。
「産業用押出機」と「再生ペレット押出機」の違いと、「単軸押出機」と「二軸押出機」の違いは、同じ分類ではありません。
産業機械側にも単軸押出機・二軸押出機があり、プラスチックリサイクル側でも単軸方式・二軸方式が使われます。
つまり、
- 産業用/リサイクル用 → 何のために使用するか
- 単軸/二軸 → どのようなスクリュー構成で処理するか
という違いです。
そのため、「リサイクルなら単軸」「研究開発なら二軸」のように一律に決めることはできません。
必要な混練性能、材料の性質、処理量、最終製品に求める品質などを見ながら選定します。
プラスチックリサイクルでは押出機の前段も確認する
今回の記事では詳しいリサイクル工程の説明は省きますが、再生ペレット押出機を検討する場合、押出機へ投入する前の状態確認は欠かせません。
材料によっては、
破砕・粉砕 ➡ 洗浄 ➡ 脱水・乾燥 ➡ 押出
などの前処理が必要になります。
一方、工場内で発生する比較的きれいな端材のように、すべての工程を必要としないケースもあります。
破砕機と押出機それぞれの役割や、一般的な再生ペレット製造の流れについては、既存記事
「押出機とは?再生ペレット製造の仕組みと破砕機との違いを解説」で詳しくご紹介しています。
今回の記事では、その一歩手前となる
「そもそも、どの押出機カテゴリーから探せばよいのか」
を判断するための考え方として参考にしてください。
押出機を探す前に整理しておきたい4つのこと
1.何を処理するのか
樹脂の種類だけでなく、ペレット、粉体、フィルム、フレーク、破砕材など、材料の形状も確認します。
2.何を目的としているのか
研究開発、混練、試作、成形、再生ペレット化など、押出機を導入する目的を整理します。
3.どれくらい処理したいのか
研究用の少量処理なのか、生産設備として一定量を連続処理したいのかによって、必要な設備規模が変わります。
4.押出後をどうするのか
ペレット化、シート成形、フィルム成形など、押出機の後段工程まで考えることが重要です。
この4点が分かれば、
「小型押出機を中心に検討するのか」
「再生ペレットラインとして検討するのか」
という最初の方向性が見えやすくなります。
よくある質問
-
-
Q1. 産業機械の小型押出機でもペレットは作れますか?
- はい。押出機の後段にペレタイザーを組み合わせることで、ペレット製造を検討できます。
ただし、廃プラスチックを大量に再生することを目的とする場合は、原料の供給方法や前処理、処理能力なども含めて再生ペレット押出機を検討する必要があります。
-
-
-
Q2. スクイーザーは押出機の代わりになりますか?
- 一概には決まりません。
少量の再生材を使って配合や混練条件を検証するのであれば、小型押出機が適するケースがあります。
一方、実際の廃材を連続的に再生ペレット化する試験であれば、再生ペレット押出機側から検討するケースもあります。
目的と処理量を確認して設備を選ぶことが重要です。
-
-
-
Q3. 再生プラスチックの研究開発をしたい場合はどちらになりますか?
- 一概には決まりません。
少量の再生材を使って配合や混練条件を検証するのであれば、小型押出機が適するケースがあります。
一方、実際の廃材を連続的に再生ペレット化する試験であれば、再生ペレット押出機側から検討するケースもあります。
目的と処理量を確認して設備を選ぶことが重要です。
-
-
-
Q4. 単軸押出機か二軸押出機かを先に決めた方がよいですか?
- まずは材料と目的を整理することをおすすめします。
単軸・二軸は重要な選定項目ですが、必要な処理量や混練性能、原料の状態によって適した方式は異なります。
「何を処理して、何を作るのか」を決めたうえで、単軸押出機・二軸押出機のどちらが適しているかを検討すると選びやすくなります。
-
まとめ|押出機は「機械名」より「用途」から選ぶ
産業機械の押出機と再生ペレット押出機は、基本的な押出原理には共通点があります。
ただし、
研究開発・試作・混練・成形を目的とするのか
それとも、
廃プラスチックを再び原料として利用できる状態へ戻すことを目的とするのか
によって、選ぶ設備や前後工程は変わります。
また、「産業用/リサイクル用」という用途の違いと、「単軸押出機/二軸押出機」というスクリュー方式の違いは別の分類です。
押出機を探し始める際には、
- 何を入れるか
- 何を作るか
- どれくらい処理するか
- 前後にどのような工程が必要か
を整理することから始めると、自社に必要な設備が見えやすくなります。
プラスチックリサイクル設備の導入を検討されている場合は、処理する材料や生産量、設置スペース、既存設備、後工程とのつながりを踏まえて選定することが大切です。
当社では、小型単軸押出機・小型二軸押出機から、再生ペレット押出機、破砕機、ペレタイザーなどまで、目的や処理物に合わせた設備導入のご相談に対応しています。
「どの押出機カテゴリーを見ればよいか分からない」という段階でも、処理する材料や目的をお聞きしながらご提案いたします。
関連する設備・ページのご紹介
ドナウ商事では、押出機・破砕機を含めたリサイクル設備をご提案しています
ドナウ商事では、プラスチックリサイクルに関する押出機、破砕機、洗浄機など、各工程に合わせた設備のご相談を承っております。
再生ペレット製造を検討されている企業様や、廃プラスチックのリサイクル工程を見直したい企業様に向けて、材料の種類や処理量、導入目的に合わせた機械選定をサポートいたします。
押出機や破砕機の導入、リサイクルライン全体のご相談は、ドナウ商事までお気軽にお問い合わせください。








