
プラスチックリサイクル設備の導入を検討する際、
「一軸破砕機と二軸破砕機のどちらを選べばよいのか」
「押出機やペレタイザーとの組み合わせはどう考えればよいのか」
と迷われる企業担当者の方は少なくありません。
破砕機は、廃プラスチックをリサイクルしやすい大きさに処理するための設備です。後工程で単軸押出機や二軸押出機、ペレタイザーを使用する場合でも、最初の破砕工程が安定していなければ、ライン全体の処理効率や再生ペレットの品質に影響します。
今回は、一軸破砕機と二軸破砕機の違いを、プラスチックリサイクル設備の導入前に確認しておきたいポイントとして、わかりやすく解説します。
目次
プラスチックリサイクル設備における破砕機の役割
プラスチックリサイクルの一般的な流れは、以下のような工程で構成されます。
プラスチックリサイクルの一般的な流れ
❶ 回収・選別 ➡ ❷ 破砕・粉砕 ➡ ❸ 洗浄・乾燥 ➡ ❹ 押出・溶融 ➡ ❺ ろ過 ➡ ❻ ペレット化 ➡ ❼ 再利用・成形工程へ

この中で破砕機は、回収された廃プラスチックを後工程に流しやすいサイズへ小さくする役割を持ちます。
たとえば、硬質プラスチックの塊、成形ロス品、パージ材、フィルム、容器、パイプ材などは、そのまま押出機へ投入することが難しい場合があります。そこで、破砕機を使ってサイズを整え、洗浄機や押出機、ペレタイザーへ安定して供給できる状態にします。
破砕機と粉砕機の違いについてはこちらのブログもご覧ください
一軸破砕機(シングルシャフト)とは?
一軸破砕機は、1本のローターで材料を破砕するタイプの機械です。プッシャーで材料をローターへ押し当て、回転刃で切削+引き裂き。スクリーン径で粒度をコントロール。粒度の揃えやすさと汎用性が特長。

比較的均一なサイズに破砕しやすく、後工程の押出機やペレタイザーへつなげる前処理として使われることが多い設備です。

※こちらの製品は WEIMA社一軸破砕機(ハイトルクドライブ)
一軸破砕機のメリット・デメリット
⭕ メリット
- 仕上がりサイズが均一で細かい
機内に「スクリーン(網)」が設置されているため、指定したサイズ以下になるまで繰り返し破砕されます。そのため、次の工程(ペレット化や固形燃料化など)にそのまま回せる綺麗な仕上がりになります。
- 薄いもの・軟らかいものの破砕が得意
フィルム、シート、ビニール袋、繊維など、2軸だとすり抜けて巻き付いてしまうような薄い素材も、高速回転でシャープにカットできます。
❌ デメリット
- 金属の塊に弱い
万が一、頑丈な金属などを巻き込んでしまうと、ローター(軸)や刃が激しく損傷し、修理コストが高くなる傾向があります。
→ ワイヤーや軽金属、アルミ、銅、ラジエーター等は、WEIMA(ドイツ製)破砕機では問題なく破砕します!
一軸破砕機が向いているケース
一軸破砕機は、1本のローターを使って材料を破砕する設備です。
材料を押し込みながらローターで削るように破砕するため、比較的安定したサイズに処理しやすい点が特徴です。
一軸破砕機は、以下のような用途に向いています。
- 硬質プラスチックの塊を処理したい
- 成形ロス品やパージ材を細かくしたい
- 破砕後のサイズをある程度そろえたい
- 押出機やペレタイザーへ安定供給したい
- 再生ペレット化まで見据えたラインを組みた
一軸破砕機は、破砕後のサイズ管理がしやすいため、単軸押出機や二軸押出機の前工程としても使いやすい点が特徴です。
二軸破砕機(ダブルシャフト)とは?
二軸破砕機は、2本の軸に取り付けられた刃で材料をかみ込みながら破砕する設備です。
2本のローターで噛み込み・せん断。大物・多量投入に強く、詰まりにくい。仕上がりはやや粗めになりやすい。
大きな材料や、かさばる材料、硬さのある材料を処理しやすい点が特徴です。
一軸破砕機に比べて、材料を強く引き込む力があるため、投入しにくい形状の廃プラスチックにも対応しやすい場合があります。
二軸破砕機(2軸)メリット・デメリット
⭕ メリット
- 静音で粉塵が少ない
低速でじっくり回るため、単軸に比べて騒音・振動が小さく、粉塵(チリ)も舞い上がりにくいのが特徴です。
❌ デメリット
- 細かく均一なサイズにはできない
スクリーンを通さないため、仕上がりサイズは「刃の厚み」によって決まります。大まかに小さくする(減容・一次破砕)のが目的であり、粉末状やミリ単位の細かさにすることはできません。
二軸破砕機が向いているケース
二軸破砕機は、以下のような用途に向いています。
- 大型の廃プラスチックを一次破砕したい
- 容器、パレット、ドラム、パイプなどを処理したい
- 投入物の形状やサイズにばらつきがある
- まずは大きく割って、次工程へ流したい
- 高トルクで力強く処理したい
二軸破砕機は、細かく均一なサイズにするというよりも、大きな材料をまず処理しやすい大きさにする設備と考えるとわかりやすいです。
そのため、二軸破砕機で一次破砕し、その後に一軸破砕機や粉砕機で粒度を整える、という流れを組むケースもあります。
まず 二軸破砕機で一次破砕 その後に一軸破砕機 or 粉砕機で粒度をそろえる
どっちを選べばいい?「一軸破砕機」と「二軸破砕機」を徹底比較!
廃棄物リサイクルや減容化の現場で欠かせない破砕機ですが、大きく分けて「一軸破砕機」と「二軸破砕機」の2つのタイプがあります。
どちらも破砕機ですが、それぞれ得意な素材や破砕後の仕上がりが全く異なるため、目的に合わせた選定が重要です。
| 比較項目 | 一軸破砕機 | 二軸破砕機 |
|---|---|---|
| 破砕の仕組み | 1本の軸が高速回転し、固定刃と挟んで削り取る | 2本の軸が低速回転し、互いの刃で引き裂く |
| 主な役割 | サイズを整えた破砕 | 大型物・かさばる物の一次破砕 |
| 得意な材料 | 硬質プラスチック、木くず、紙、フィルム、パージ材、
廃プラ(フレーク・成形品)、木材、ゴム、繊維、軽金属など |
粗大ごみ、金属、家電、容器、大型プラスチック、パイプ、
バンパー・木根・タイヤ、混合廃棄物など |
| 破砕後の粒度 | 比較的そろえやすい・スクリーン(網)を通すため、均一で細かい | 粗めになりやすい・刃の厚み依存のため、粗く不揃い |
| 後工程との相性 | 押出機・ペレタイザー前工程に向く | 一次破砕後、再破砕や粉砕工程と組み合わせやすい |
| 選定の考え方 | 品質や粒度の安定を重視 | 投入物の大きさ・処理能力を重視¥ |
簡単にいうと、後工程の押出機へ安定して流したい場合は一軸破砕機、大型で不定形な廃材をまず処理したい場合は二軸破砕機が検討候補になります。
選定の指針(クイック)
- 粒度を揃えたい × 樹脂・木材中心 → 一軸破砕機
- 大物・多量 × 混合材 → 二軸破砕機/四軸破砕機
押出機・単軸押出機・二軸押出機との関係
破砕機で処理された廃プラスチックは、その後、押出機で溶かされ、ろ過や脱気を経てペレット化されます。
押出機にも、単軸押出機と二軸押出機があります。
単軸押出機
単軸押出機は、1本のスクリューで樹脂を溶かしながら押し出す設備です。
比較的シンプルな材料や、同じ種類の樹脂を安定してペレット化したい場合に使われることが多いです。PE、PP、フィルム材、粉砕材などの再生ペレット化では、単軸押出機が選ばれるケースもあります。
二軸押出機
二軸押出機は、2本のスクリューを使って樹脂を混練しながら押し出す設備です。
混ぜる力が強いため、添加剤を入れる、複数の材料を混ぜる、脱気や混練を重視する、といった場合に検討されます。
プラスチックリサイクル設備では、「破砕機でどの大きさまで処理するか」「洗浄・乾燥をどこまで行うか」「押出機でどの品質の再生ペレットを作るか」をセットで考えることが大切です。
破砕機選びで確認したい5つのポイント
Point 1. 処理するプラスチックの種類
まず確認したいのは、処理する材料です。
硬質プラスチックなのか、フィルム系なのか、パージ材なのか、パイプ材なのかによって、適した破砕機は変わります。
Point 2. 投入物の大きさと形状
大きな材料や不定形の廃材が多い場合は、二軸破砕機で一次破砕した方が安定しやすい場合があります。
一方、破砕後のサイズを整えたい場合は、一軸破砕機や粉砕機との組み合わせも検討します。
Point 3. 後工程の押出機との相性
破砕した材料をそのまま単軸押出機や二軸押出機へ送る場合、粒度や供給量が安定していることが重要です。
破砕が粗すぎると、押出機への供給が不安定になることがあります。逆に、細かくしすぎると粉が増え、搬送や投入時に扱いにくくなる場合もあります。
Point 4. メンテナンスのしやすさ
破砕機は、刃物の摩耗や交換、異物混入への対応など、導入後のメンテナンスも重要です。
本体価格だけでなく、刃物交換のしやすさ、部品供給、点検対応、消耗品の入手性も確認しておくと安心です。
Point 5. 設備全体としての導入コスト
中国メーカー製品は、価格面で導入しやすいというメリットがあります。
ただし、価格だけで判断するのではなく、性能、耐久性、メンテナンス性、導入後のサポート体制まで確認することが大切です。
一軸破砕機と二軸破砕機は「どちらが良い」ではなく「用途で選ぶ」
一軸破砕機と二軸破砕機は、どちらが優れているというよりも、処理したい材料やライン構成によって選ぶ設備です。
たとえば、大型の廃材をまず小さくしたい場合は二軸破砕機が向いています。
一方で、押出機やペレタイザーへ安定してつなげたい場合は、一軸破砕機で粒度を整える考え方が有効です。
また、処理量が多い工場では、二軸破砕機で一次破砕し、その後に一軸破砕機や粉砕機でサイズを整え、洗浄・乾燥・押出・ペレット化へ進めるライン構成も検討できます。
破砕機導入検討の際のよくある質問(FAQ)
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Q1. 一軸破砕機と二軸破砕機は、どちらを選べばよいですか?
- → 処理する廃プラスチックの大きさ、硬さ、形状、後工程によって変わります。大型物やかさばる材料を一次破砕したい場合は二軸破砕機、押出機やペレタイザーへ安定してつなげたい場合は一軸破砕機が検討しやすいです。仕上がり粒度重視=一軸、通過量・噛み込み重視=二軸が基本軸。混合材・長尺物・不定形物が多いなら二軸/四軸が安心です。
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Q2. 破砕機だけ導入すれば、プラスチックリサイクルはできますか?
- → 破砕機はリサイクル工程の一部です。再生ペレット化まで行う場合は、洗浄機、乾燥機、押出機、ろ過装置、ペレタイザーなどとの組み合わせが必要になる場合があります。
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Q3. 金属が混入しても大丈夫?
- → 短時間・少量なら耐えられる場合もありますが、刃欠け・ローター損傷のリスク。磁選(磁力選別)・渦電流分離の前処理を推奨します。
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まとめ
一軸破砕機と二軸破砕機は、プラスチックリサイクル設備において重要な前処理設備です。
一軸破砕機は、破砕後のサイズを整えやすく、押出機やペレタイザーへの安定供給に向いています。
二軸破砕機は、大型物やかさばる廃材の一次破砕に向いており、処理物の大きさや形状にばらつきがある場合に検討しやすい設備です。
設備選定では、本体価格だけでなく、処理する材料、後工程との相性、処理量、耐久性、メンテナンス性、導入後のサポートまで含めて考えることが大切です。
お客様の声/導入実績
ドナウ商事取り扱い 破砕機のご紹介
ドナウ商事では、押出機・破砕機を含めたリサイクル設備をご提案しています
ドナウ商事では、プラスチックリサイクルに関する押出機、破砕機、洗浄機など、各工程に合わせた設備のご相談を承っております。
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