脱水減容機スクイーザーとは?フィルムリサイクルで重要な前処理設備
プラスチックリサイクル設備を検討する際、押出機や破砕機に注目が集まりやすい一方で、洗浄後の「脱水」や「減容」の工程が見落とされることがあります。
特に、PEフィルム、PPフィルム、軟質包装材、袋物、繊維状のプラスチックなどは、軽くてかさばりやすく、水分を抱え込みやすい材料です。洗浄後の水分が多いまま押出機へ投入すると、発泡、ガスの発生、吐出量の不安定化、ペレット品質のばらつきにつながる場合があります。
そこで重要になるのが、脱水減容機スクイーザーです。
スクイーザーは、洗浄後のフィルム系材料を機械的に絞り、脱水しながらかさを減らし、押出機へ供給しやすい状態に整える前処理設備です。
単に「乾かす設備」というよりも、プラスチックリサイクルライン全体の安定稼働を支える中間工程として考えることが大切です。

目次
脱水減容機スクイーザーとは?
脱水減容機スクイーザーとは、洗浄後の軟質プラスチックをスクリューなどで 破砕 や 圧縮 し、水分を取り除きながら材料の体積を大幅に減らす(減容する)ための機械です。
フィルムや袋物は、破砕・洗浄後に水分を多く含みやすく、そのままでは押出機への供給が安定しにくい場合があります。材料が軽すぎる、かさばる、水分が多い、供給量が一定にならないといった課題がある場合、スクイーザーを入れることで後工程の負担を軽減しやすくなります。
※ 減容とは・・・主に廃棄物の体積や容量を物理的・化学的な処理によって減らすことを指します。具体的には、圧縮、破砕(粉砕)、焼却、溶解、脱水などの手法を用いて廃棄物を小さくし、保管・輸送・最終処分を効率化する処理や技術を意味します。
スクイーザー(脱水減容機)の主な役割
| 役割 | 内容 |
|---|---|
| 脱水 | 洗浄後のフィルムに残った水分を機械的に絞る |
| 減容 | かさばるフィルムを圧縮し、供給しやすい状態にする |
| 後工程の安定化 | 押出機への投入量や材料状態を安定させやすくする |
プラスチックリサイクルでは、押出機そのものの性能だけでなく、押出機に入る前の材料状態が品質に大きく関わります。スクイーザーは、その材料状態を整えるための重要な前処理設備です。
フィルムリサイクルで脱水・減容が重要になる理由
フィルム系のプラスチックは、硬質フレークと比べて形状が不安定です。薄く、軽く、折り重なりやすいため、洗浄後に水分が残りやすく、乾燥にも時間がかかります。
水分が多い状態で押出機へ投入すると、次のような問題が起こる可能性があります。
| 起こりやすい課題 | 影響 |
|---|---|
| 水分が多い | 押出時に発泡しやすくなる |
| 材料が軽くかさばる | 押出機への供給量が安定しにくい |
| 投入量にばらつきがある | 吐出量や圧力が安定しにくい |
| 乾燥が不十分 | ペレット品質のばらつきにつながる |
| 異物や汚れが残る | ろ過装置やスクリーンへの負荷が増える |
つまり、フィルムリサイクルでは「洗浄できたか」だけでなく、「押出機に入れやすい状態まで整っているか」を確認することが重要です。
脱水減容機スクイーザーは、洗浄工程と押出工程の間に入ることで、材料を次工程へ送りやすくする役割を持ちます。
破砕機・洗浄機・スクイーザー・押出機の流れ
プラスチックリサイクル設備は、1台の機械だけで考えるのではなく、ライン全体の流れで見る必要があります。
一般的なフィルムリサイクルの流れは、次のようになります。
スクイーザーは、画像内の流れでいうと 「洗浄・乾燥」から「押出・溶融」へ進む前段階 に関わる設備です。洗浄後のフィルムは水分を含みやすく、かさばりやすいため、スクイーザーで脱水・減容することで、押出機への供給を安定させやすくなります。
フィルムリサイクルの流れ

この中で、破砕機は大きな材料を処理しやすいサイズにする設備です。洗浄機は、汚れ、砂、紙、ラベル、油分などを取り除く工程で使われます。
そして、洗浄後の材料を押出機へつなげる前に、スクイーザーで脱水・減容を行います。ここが不十分だと、押出機側で水分や供給ムラの影響を受けやすくなります。
押出機は、破砕・洗浄されたプラスチックを加熱し、溶かし、混練しながらペレット化工程へ送る中心設備です。ただし、前処理が不安定なままでは、いくら高性能な押出機を導入しても、本来の性能を発揮しにくい場合があります。
このように、スクイーザーは「洗浄・乾燥」と「押出・溶融」をつなぐ重要な前処理設備です。特にフィルム系のプラスチックでは、洗浄後の水分やかさばりをそのままにしておくと、押出機への供給が不安定になり、ペレット品質にも影響する可能性があります。
そのため、押出機や破砕機だけでなく、洗浄後の材料状態を整えるスクイーザーの役割も含めて、ライン全体で設備構成を考えることが大切です。
単軸押出機・二軸押出機との関係
脱水減容機スクイーザーは、押出機そのものではありません。押出機の前段で材料状態を整える設備です。
押出機には、大きく分けて単軸押出機と二軸押出機があります。
| 種類 | 特徴 | 向いているケース |
|---|---|---|
| 単軸押出機 | 1本のスクリューで材料を溶融・押出する一般的な方式 | 比較的材料状態が安定している再生ペレット製造 |
| 二軸押出機 | 2本のスクリューで混練性を高めやすい方式 | コンパウンド、添加剤混合、材料改質、高付加価値化 |
フィルムリサイクルでは、まず材料を安定して押出機へ供給できるかが重要です。
水分が多く、かさばった状態のままでは、単軸押出機でも二軸押出機でも供給が不安定になりやすくなります。
そのため、単軸押出機・二軸押出機のどちらを選ぶ場合でも、前段の破砕、洗浄、脱水、減容の状態を確認することが大切です。
特に、フィルム系材料では、スクイーザーによって材料の水分やかさを整えることで、押出工程の安定化につながります。
スクイーザーを導入する際に確認したいポイント
脱水減容機スクイーザーを選定する際は、価格だけで判断するのではなく、処理する材料やライン全体との相性を見ることが重要です。
1. 処理する材料の種類
PEフィルム、PPフィルム、農業用フィルム、包装フィルム、袋物、不織布、繊維系スクラップなど、材料によって水分の残り方や圧縮しやすさが異なります。
同じフィルムでも、厚み、汚れ、印刷の有無、ラミネート構成、混入物の量によって適した設備構成は変わります。
2. 洗浄後の水分量
スクイーザーを検討する際は、洗浄後にどの程度の水分が残っているかを確認する必要があります。
水分が多すぎる場合は、スクイーザーだけでなく、洗浄機、遠心脱水機、乾燥機、搬送方法なども含めて見直す必要があります。
3. 押出機への供給安定性
押出機へ安定して材料を送れるかは、再生ペレットの品質に関わります。
フィルムが軽すぎると、ホッパー内でブリッジしたり、供給量がばらついたりすることがあります。スクイーザーで材料を減容し、供給しやすい状態にすることで、押出機側の負荷を抑えやすくなります。
4. 処理能力とラインバランス
スクイーザーの処理能力が高くても、前段の破砕機や洗浄機、後段の押出機との能力が合っていなければ、ライン全体の効率は上がりません。
設備選定では、1時間あたりの処理量だけでなく、実際の材料状態、投入方法、洗浄能力、乾燥能力、押出能力、ペレット化能力を一連の流れで確認することが大切です。
5. メンテナンス性と消耗部品
フィルムリサイクルでは、砂、紙、ラベル、金属片、異物などが混入する場合があります。これらはスクリュー、バレル、刃物、スクリーン、フィルターなどに負荷をかけます。
設備選定時には、清掃のしやすさ、点検箇所、消耗部品の交換性、国内サポートの有無も確認しておきたいポイントです。
スクイーザーが向いているケース
脱水減容機スクイーザーは、特に次のようなケースで検討しやすい設備です。
| 課題 | スクイーザーで期待できること |
|---|---|
| 洗浄後のフィルムに水分が多い | 機械的に脱水し、後工程の負担を軽減しやすい |
| 材料がかさばって搬送しにくい | 減容により扱いやすい状態に整えやすい |
| 押出機への供給が安定しない | 投入量のばらつきを抑えやすい |
| ペレット品質が安定しない | 水分や供給ムラの影響を抑えやすい |
| 乾燥工程の効率を見直したい | 乾燥・押出工程全体の改善につなげやすい |
ただし、スクイーザーを入れればすべての問題が解決するわけではありません。材料の汚れが多い場合は洗浄工程、異物が多い場合は選別やろ過工程、臭いや揮発分が問題になる場合は押出機の脱気性能や二段押出の検討が必要になることもあります。
押出機だけでなく前処理から考えることが大切
プラスチックリサイクル設備の導入では、「どの押出機を選ぶか」「単軸押出機と二軸押出機のどちらがよいか」という相談をいただくことがあります。
もちろん押出機の選定は重要です。しかし、フィルムリサイクルでは、押出機に入る前の材料状態が安定していなければ、押出機本来の性能を引き出しにくくなります。
そのため、設備選びでは次の順番で整理すると考えやすくなります。
- どの材料を処理するのか
- 汚れや異物はどの程度あるのか
- 破砕・洗浄後の状態はどうか
- 水分やかさばりをどう処理するか
- 押出機へ安定供給できるか
- ろ過・脱気・ペレット化まで含めて品質を確保できるか
このように、スクイーザーは「押出機の前に置く乾燥設備」というだけでなく、リサイクルライン全体の安定性を高めるための前処理設備として考えることができます。
スクイーザよくある質問
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Q1. スクイーザーと乾燥機は何が違いますか?
- → 乾燥機は熱風などで水分を飛ばす設備ですが、スクイーザーは材料を圧縮し、機械的に水分を絞る設備です。フィルムのように水分を抱え込みやすい材料では、脱水と減容を同時に行える点が特徴です。
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Q2. スクイーザーは押出機の代わりになりますか?
- → スクイーザーは押出機の代わりではありません。押出機の前段で、材料の水分やかさを整える設備です。最終的に再生ペレットを作る場合は、押出機、ろ過装置、ペレタイザーなどとの組み合わせが必要になります。
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Q3. 単軸押出機と二軸押出機のどちらにも使えますか?
- → ライン設計によりますが、スクイーザーは押出機へ入る前の材料状態を整える設備のため、単軸押出機・二軸押出機のどちらを検討する場合でも、前処理として関係します。材料の種類や目的に合わせて、後工程との相性を確認することが大切です。
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Q4. 破砕機とスクイーザーはどちらを先に使いますか?
- → 一般的には、破砕・洗浄後にスクイーザーを使う流れになります。破砕機で材料を処理しやすいサイズにし、洗浄で汚れを落とした後、スクイーザーで脱水・減容して押出工程へつなげます。
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おすすめ脱水減容機スクイーザーのご紹介
ACERETECH(エースリテック社)の「スクイーザー」は、プラスチックのリサイクルにおいて破砕・洗浄されたフィルムなどを強力な推力で圧縮・脱水し、水分率を5〜7%未満にまで下げる高性能な減容機です。
低消費電力と低騒音設計により省スペースで設置でき、安定した動作で装置の長寿命化を実現しているのが特徴です。
ACERETECH(エースリテック社)減容機 スクイーザーの仕組み ムービーver
PEフィルム洗浄&減容機 ( 破砕~洗浄~脱水~減容まで )
まとめ
脱水減容機スクイーザーは、フィルムリサイクルにおいて洗浄後の材料を脱水・減容し、押出機へ安定して供給しやすくするための前処理設備です。
特に、PEフィルムやPPフィルムなどの軟質プラスチックは、水分を含みやすく、かさばりやすいため、押出工程へ入る前の材料状態が重要になります。
プラスチックリサイクル設備を検討する際は、押出機や破砕機だけで判断するのではなく、破砕、洗浄、脱水、乾燥、押出、ろ過、ペレット化までの流れを一つのラインとして考えることが大切です。
プラスチックリサイクル設備の導入を検討されている場合は、処理する材料や生産量、設置スペース、後工程とのつながりを踏まえて選定することが大切です。
当社では、破砕機・洗浄機・脱水減容機スクイーザー・押出機・ペレタイザーなど、リサイクルライン全体を見据えた設備導入のご相談に対応しています。導入をご検討の際は、処理物の種類や現在の課題をお聞かせください。
導入をご検討の際は、処理物の種類や現在の課題をお聞かせください。
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