二軸押出機(コニカル型同方向)とカッターコンパクター押出機比較

コニカルvsカッターコンパクター
このコラムでは、二軸押出機(コニカル型同方向)とカッターコンパクター押出機のそれぞれのメリットとデメリットを比較します。これらはペレットの製造方法として広く使用される機械で、どちらも異なる方式でペレット化を行います。
目次
1.二軸押出機(コニカル型同方向)とは
二軸コニカル型同方向押出機とは、テーパー(円錐)形状の2本のスクリューが同じ方向に回転しながら材料を混練・押出する押出機のことです。
※パラレル型押出機は、スクリュー径が根元から先端にかけて均一な押出機です。
次世代型リサイクル押出機 二軸押出機(コニカル型同方向)動画紹介

主な特徴
- コニカル(スクリュー径が先細り)
- スクリューが根元(モーター側)から先端に向かって細くなる形状。
- 同方向回転
- 2本のスクリューが同じ方向に回転し、噛み合いながら材料を前に送る。
- せん断混練性が高く、安定した押出が可能。
- コニカル型の利点
項目 | 説明 |
供給口が広い | 低いかさ密度でもフィードネックしない |
スクリュー長が短い | パラレル押出機の1/4の長さ |
メンテナンスが容易 | スクリューを後ろから抜く為、短時間で清掃が可能 |
電気代が抑えられる | 電力代が最大35%程抑えることが可能 |
脱気能力が高い | 単軸押出機より真空引きできる面積が広い |

カッターコンパクター押出機とは
カッターコンパクター押出機とは、フィルムや繊維などの軽くてかさばるプラスチック廃材を再生するための押出機で、カッターコンパクター(圧縮機構)を一体化させたシステムです。
基本構造と動作の流れ
- 原料投入(例:フィルム、バッグ、ラミネート)
- 回転刃で裁断(カッター部)
- 原料を細かく裁断しながら摩擦熱で加熱
- 軽い材料でも密度が上がり搬送しやすくなる
- 圧縮・予備溶融(コンパクター部)
- 副加熱された原料を圧縮して団子状に
- スクリューへ送られる
- 圧縮された原料が押出機のスクリューに直接供給
- 溶融・混練・押出
- 通常の押出工程(ペレット化)
カッターコンパクター押出機 特徴・メリット
項目 | 内容 |
材料の密度向上 | 軽量で嵩張る材料を押出機が処理しやすい形に |
乾燥不要 | 一部の水分は摩擦熱で蒸発するため予乾燥を省略可 |
省スペース化 | 別々だったカッター・押出機・コンパクターを一体化 |
自動化しやすい | 裁断→供給→押出の流れを一気通貫で処理できる |




💡 利用例
- 廃プラスチックフィルム(PE、PP)を再生ペレットに加工。
- 発泡スチロールや農業用ビニールシートのリサイクル。
- 包装材、ショッピングバッグなどのリサイクル原料生成。
✅ メリット
- 軽量・かさばる素材でもスムーズに処理可能。
- 一体型構造でスペースや人手を節約。
- リサイクル効率が高く、材料ロスが少ない。
カッターコンパクター押出機 概要ムービー
二軸押出機(コニカル型同方向) vs. カッターコンパクター押出機【比較表】
比較項目 | 二軸押出機(コニカル型同方向) | カッターコンパクター押出機 |
🔁 スクリュー構成 | 二軸押出機 | 単軸押出機 |
🔄 混練性能 | 高い | 低い |
💡 主な用途 | コンパウンド、単一素材のリサイクル | フィルム、袋、繊維のリサイクル |
🔥 スクリュー長 | 短い(1t/hの場合、2m) | 長い(1t/hの場合、10m) |
🌀 混練性能 | 高い(剪断・分散混合に優れる) | 低〜中(主に再溶融目的) |
🧊 原料状態 | フレーク状・粉体、ペレット、添加剤など対応 | 軽くてかさばる材料(フィルム、袋)向け |
🧯 脱揮性能 | 高い(脱気できる面積が広い) | 低い(脱気できる面積が狭い) |
⚙️ 電気代 | 省エネ | 高い |
モデル一覧
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |