廃プラスチック攻略本 -リサイクル装置の選び方-

このコラムは、プラスチックリサイクルを検討されているお客様が、材料ごとの機械の仕様を把握するための情報をまとめております。
目次

はじめて、プラスチックリサイクルを検討されているお客様は、色々な疑問と不安を持たれています。そんな疑問を少しでも解消するために、ポイントをまとめました。
弊社代表は、1990年代からプラスチックのリサイクルに携わっています。
※前職を含む。
そして、2000年代には、自社でリサイクルプラントを一から立ち上げ、プラスチックのリサイクル事業に取り組みました。洗浄機、破砕機、押出機、フィルター、ペレタイザーは、長年の経験とノウハウが詰まっており、より優れたメーカーの機械を皆様にご提案しています。勿論、はじめから全て順調には進みませんでした。たくさんの失敗を経験し、いまがあります。失敗を繰り返し、それがいまはノウハウとなり、樹脂ごとに最もマッチしている機械をご提案できるようになりました。勿論、年月が経つにつれ、リサイクルが求められるレベルが上がっているのは確かです。新たな組成のプラスチックも日々開発されています。最新技術に常にアンテナを張り、各メーカーともフィードバックを重ね、お客様が求める仕様であり、リサイクル技術を我々も日進月歩しております。
それでは、リサイクルをはじめて検討されているお客様へ、わかりやすくご説明させて頂きます。
硬質プラか軟質プラか
先ず、硬質プラと軟質プラにより、リサイクル装置の仕様が大きく変わります。
硬質プラとは、家庭用品、車のバンパー、家電、ダンゴ、自動車部品等です。
軟質プラとは、ビニール袋、食品包装、フィルム、ロール等です。
簡単に例えると、固形のプラスチックとフワフワした材料の違いです。
洗浄機 未溶融の異物が含まれている?
プラスチックをリサイクルする際に最も重要なのは、選別&洗浄です。今回はすでに選別されたプラスチックの状態と仮定してご説明します。
破砕して、押出機に投入したらペレットの出来上がり!簡単!とイメージされているかと思います。ほぼほぼイメージ通りで問題御座いません。しかし!!!それは、綺麗な材料の場合に限ります!プラスチックリサイクルで最も懸念すべき点は、「異物」です。
※異物とは、紙類、木、ゴム、砂、ほこり等の未溶融の物質です。
硬質プラ用の洗浄機の詳細は下記リンクにて説明しております。
破砕機 全ては破砕から始まる
すべては破砕機からはじまります。破砕機が停止すると、後段設備に材料を供給できず生産が停止してしまいます。
破砕機とは、固体の物質を小さく砕くための機械です。
プラスチック、産業廃棄物、紙、木等をリサイクルする際に、利用される機械です。

一軸破砕機と二軸破砕機と四軸破砕機
一軸破砕機とは1本の回転軸に複数の刃(カッター)を取り付けて材料を引き裂きながら破砕する機械です。主にプラスチック、木材、紙、繊維などを対象にした中〜大型の産業用破砕機です。
二軸破砕機とは2本の回転軸に取り付けられた刃(カッター)で材料を挟み、引き裂いたりちぎったりして破砕する機械です。廃プラスチック、家電、金属くず、タイヤ、木材、廃棄物全般で広く使われていて、頑丈で異物に強く、大量処理に向いているのが特徴です。
四軸破砕機とは4本の回転シャフトに刃を取り付けて、材料を高精度で細かく破砕する機械です。金属、プラスチック、電子基板、バッテリー、医療廃棄物用途です。
プラスチックリサイクルの場合は、主に一軸破砕機を利用します。
硬質プラの場合は、プッシャーが前後する一軸破砕機を推奨します。
軟質プラの場合は、かさ密度が低い(フワフワ)為、プッシャーが上下に動く、スイングラム式を推奨します。
押出機 仕様の決め方
単軸押出機か二軸押出機があります。
単軸押出機とは、一本のスクリューにてプラスチックを溶融させる機械。
二軸押出機とは、二本のスクリューにてプラスチックを溶融させる機械。
・単軸押出機は、単一プラスチックを溶融しペレット加工する場合に選定します。
・二軸押出機は、複数の樹脂、添加剤やマスターバッチを混練する必要がある場合に選定します。
硬質プラをリサイクルする場合
単一のプラスチックの場合は、単軸押出機を選定します。
硬質プラとは、家庭用品、車のバンパー、家電、ダンゴ、自動車部品等のスクラップです。
軟質プラをリサイクルする場合
カッターコンパクター付の押出機を選定します。
カッターコンパクターとは、軟質プラスチック(フィルム、袋など)や発泡スチロールなど軽量な材料の再利用に適しています。
🔧 構造・機能の概要
カッターコンパクター押出機は大きく以下の部分で構成されています:
カッターコンパクター部
- 素材を投入すると、回転ブレードで細かく裁断しながら、摩擦熱で加熱。
- 同時に素材を圧縮して、密度を高め、後工程の押出部に送りやすくする。
- 特にフィルムや袋のように軽くて扱いにくい素材を、扱いやすくするための重要な前処理装置。




💡 利用例
- 廃プラスチックフィルム(PE、PP)を再生ペレットに加工。
- 発泡スチロールや農業用ビニールシートのリサイクル。
- 包装材、ショッピングバッグなどのリサイクル原料生成。
✅ メリット
- 軽量・かさばる素材でもスムーズに処理可能。
- 一体型構造でスペースや人手を節約。
- リサイクル効率が高く、材料ロスが少ない。
PETボトルやシートフレークをリサイクルする場合
PET樹脂は、熱がかかると黄変(色が黄色くなります)。または、IV値がドロップダウンします。
PETボトルやシートフレークは、硬質プラor軟質プラどちらかといえば軟質プラに分類されます。では、カッターコンパクター付の押出機で決まり!!!
それも正解です!
しかし、より付加価値がある押出機をご案内します。
ヨーロッパ製MAS社が開発した二軸同方向コニカル型押出機。
何故二軸?単一樹脂なのになぜ二軸が必要なの?
理由は、MAS社同方向コニカル型押出機のページにてご説明しております。
PETリサイクルにはMAS製二軸同方向コニカル型押出機が抜群に適しています!
黄変を防ぎ、IV値のドロップダウンを最小限に抑え、電気代を大幅に削減できる画期的な押出機です。
PET結晶化する場合
PETを結晶化させるには、結晶化装置が必要です。当たり前のことです。
しかし、昨今は結晶化装置を使用せずに結晶化させるプロセスが当たり前になっています。
アンダーウォーターペレタイザーというペレタイザーであれば実現できます。
わずか60秒で結晶化!結晶化装置が不要な分、電気代削減、設置スペース削減に成功。
リサイクルコンパウンドをする場合
プラスチックフレークと添加剤をコンパウンドする際は、二軸押出機を選定します。
一般的な二軸押出機のスクリュー径は、根元から先端まで同じ太さになります。
MAS社製二軸同方向コニカル型は、スクリュー径の根元が太く、先端にかけて細くなります。
コニカル型のメリットは、インテイクゾーンが広いのでフィードネックしません。
サイドフィードも不要です。同方向回転の為、混練レベルは抜群に良いです。

こんな不満を解消できます!

Q1. 二軸押出機は、供給口が狭いので、フレークを8mm以下に粉砕が必須ですか?
A. MAS製同方向コニカル型押出機であれば粉砕頂く必要は御座いません。理由は、インテイクゾーンが広いから!
Q2. かさ密度が低い添加剤は、サイドフィードが必要になる(汗)
A.MAS製同方向コニカル型押出機であればサイドフィードは不要です!理由は、インテイクゾーンが広いから!
Q3. スクリュー回転数を上げないと、吐出量が上がらない!
でも同時に樹脂の温度も上がってしまう~(悲鳴)
A.MAS製同方向コニカル型押出機であれば低い回転速度で高吐出量を実現!
一般的な二軸押出機のスクリュー回転速度は600~800rpmです。
MAS社は最大100rpmで押し出します!
フィルター 異物の割合
フィルターは、押出機とペレタイザーの間に搭載する機械です。
網で異物を除去する機能がついてます。異物の割合が多いと、フィルターが異物で詰まり、交換作業が発生します。
タイプ | 異物割合 | メッシュ交換 |
ワンピストン | 異物割合0.5%以下 | 人力でメッシュを交換 |
デュアルピストン | 異物割合0.5%以下 | 人力でメッシュを交換 |
バックフラッシュ | 異物割合1%以下 | 半無人化による運転が可能 |
レーザーフィルター | 異物割合5%以下 | 完全無人化による運転が可能 |
スクリーンチェンジャー一覧
ペレタイザー 3種類のペレタイザー
タイプ | 汎用性 | 設置スペース |
ストランドペレタイザー | 汎用樹脂のみ | 広大な設置スペース |
ホットカットペレタイザー | 汎用樹脂のみ、
融点が高いとペレットの誤着が発生 |
省スペース |
アンダーウォーターペレタイザー | 全ての樹脂(汎用樹脂、エンプラ、
スーパーエンプラ) |
省スペース |
ECON ペレタイザー 一覧紹介
初期投資に不安 中国製、ヨーロッパ製、台湾製の比較
中国製の印象は、価格が安いのがメリットだが、故障が多く、メンテナンスが大変!ですよね!
弊社も過去に中国製の代理店をしていました。実際、とても大変でした。
ではなぜ、Aceretech社の総代理店をしているのか。
Aceretech社はそんなこと御座いません!
総代理店になる前に、何度も工場を訪問し、CEOとの打ち合わせを繰り返しました。しっかり見極め、判断しました。Aceretech社CEOの思想に共感しました。
CEO:「Aceretechの機械は、中国では売れません!理由は値段が高いから!」
弊社:「えっ???」
私は、驚愕しました。本国のマーケットが最も販売しやすいはずなのに???
CEO:「マーケットがそもそも違います!ヨーロッパ、日本、アメリカです!」
「良い機械を、世界に届けたい!ヨーロッパよりも最先端技術を常に開発したい。」
いまでは、ヨーロッパメーカーのOEMも手掛けています。また、アジアではじめて、固相重合装置でFDA認証を取得しました。いままではヨーロッパ勢が独占していたFDA認証ですが、Aceretech社が風穴をあけました。
それほど、最新技術への志向が高いメーカー といえます。
また、値段が高いといっても、ヨーロッパ製の5分の1の値段、台湾製の3分の1の値段!
品質も技術もかなりかなり高いです!
モデル一覧
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